スタッキングチェアのメリット公開中

Wマートの日本浸透が既存の西友の店舗を超え、自主出店するようになればスーパーセンターをパンパン郊外に出してくるだろうから、店舗バッティングが国内でもっとも多く起こるのはイオンであることはまちがいない。
ここに危機感が漂う。 イオンのもっとも恐れるのはW社の持つ豊富な経営資源だ。
ヨーカ堂グループの3.3兆円、イオングループ2.9兆円の売上高に対して、W社の01年度における対前年売上増加額が約3.4兆円だ。 増収額だけで毎年ヨーカ堂、イオン規模の小売業を1つずつ増やしていける計算になる。
資金力はキャッシュフローだけで約4兆円を有している。 日本のヨーカ堂の時価総額が約2.7兆円、イオンは約1.2兆円(いずれも02年5月時点)だ。
その気になれば日本の流通で買えない規模のところはない。 ただし、小売業は製造業と違い規模の論理が働かないところに妙味がある。

極端な話、トヨタの前で屋台の自動車工場は成り立たないが、ジャスコの前でおでん屋を繁盛させることはできる。 やりようによってはW社と互角、あるいは撤退させることも十分に可能なのが小売の世界だ。
日本には「小よく大を制す」という言葉もある。 ただ、くどいようだがWマートはただ大きいだけではない。
イオンにとって現時点でW社に遠く及ばないのが営業利益率だ。 02年8月中間期の連結売上高は3.9%増(1兆3923億円)、営業利益は9.2%増(582億円)でともに中間期過去最高を達成したが、営業利益率は1.4%と相変わらず低水準にとどまった。
05年度には5%まで持っていきたいが、そのためにはW社に対抗できるだけの低コストオペレーションを確立する必要がある。 02年8月中間期で既存店売上高を前年比プラスにしたのはヨーカ堂だけだ。
早急にヨーカ堂並みの水準に到達する必要があろう。 24時間営業と人件費率の低減、42つの既存店活性化策。
売上高販売管理費比率(販管率)をWマートはアメリカ国内で28%台に抑えている。 これに対してイオンはいかんせん20%台後半だ。

販管費は売上高営業利益率と売上高人件費率の2つが大きいが、この人件費率を10%に抑えた店舗がある。 千葉県船橋市にあるジャスコ高根沢店だ。
販管費を抑えた結果地域ナンバーワンの安さが売りの店になった。 この既存店が取り組んでいるのが「働き方改革」である。
97年に大店法が緩和され大量出店や年中無休店の出現で人手不足は深刻化した。 この人手不足を解消するために働き方の効率化に取り組んだのは01年秋のこと。
たとえば、5分単位で、手ぶらで往復するムダな動線や商品を探すのに手間取るムダな時間などを洗い出した。

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